「すぐに業者を呼べない」「とりあえず自分で何とかしたい」
そんな突然の雨漏り…
雨漏りの主な原因箇所は
- 屋根の劣化
- サッシ周辺の隙間
- 外壁のひび割れ
- 配管やアンテナの貫通部分
からです。ここでは、自分で出来る応急処置の方法と注意点をご紹介します。
目次
雨漏りで最も怖いのは「漏電」!
雨漏りによって電気配線が濡れると、感電や火災の危険があります。
ブレーカーが落ちてしまうと、漏電の可能性が高いので注意が必要です。
<<漏電チェックの手順>>
すべてのブレーカーを「オフ」にする。
アンペアブレーカーだけを「オン」に。
小ブレーカーを一つずつオンにして、どこでブレーカーが落ちるか確認。
落ちたところが漏電しているエリア。
雨漏りしている部屋や水回りは、念のためスイッチを切っておきましょう。
水を受け止める応急処置
室内に入ってくる水を受け止めて、被害の拡大を防ぎましょう。
◆ 天井から雨漏りしている場合
準備するもの:バケツ・ブルーシート・雑巾
バケツの中に雑巾を入れておくと、水の跳ね返り防止になります。
ブルーシートで周囲の床や家具を覆う。
被害が軽度な場合は、吸水力の高いペットシートや紙おむつの活用が有効です。
ブルーシートの継ぎ目は養生テープを使うと便利です。
◆ 窓から雨漏りしている場合
カーテンは外す(カビ発生の原因になるため)。
雑巾やバスタオルを窓枠にしっかり押し当て、水を吸収。
窓下にもブルーシートや防水シートを敷いて、床への被害を最小限に抑える。
水の侵入を止める応急処置
■ マスカーテープでの一時的な防水
塗装工事などでも使われる「マスカーテープ(ビニール付き養生テープ)」を使い、雨漏り箇所を密閉する方法です。
屋根材に密着させることで、一時的に水の侵入を防ぐことができます。
※粘着力は強くありません。風の侵入を防ぐ程度の役割です。
使用場所や貼り方によっては「1日持つかどうか」程度であり、雨一回しのげたらOKのレベルです。
瓦屋根などは貼り付けやすいが、外壁など凹凸のある場所は密着しにくいのが特徴です。
本格的な防水テープ(厚手で黒やグレーの粘着力が強い)は、主に本工事用の為、応急処置には使いません。
■ ブルーシートの設置
ブルーシートを使って広範囲を覆い、屋根全体を保護する方法です。
応急処置として広く使われています。
漏れている「場所だけ」ではなく、「屋根の頂上(棟)から広範囲」にかける必要があり、
強風対策として、土のう袋などで四隅・中央をしっかり固定は必須です。
5m以上の大きなシートが必要な場合もあります。
薄手タイプ:数ヶ月~半年持つこともある。
厚手タイプ:最長で1年程度。ただし地域や日当たりで劣化速度に差がある。
雨漏り箇所だけでなく、屋根の頂上(棟)からかけるのが基本です。
ですが、屋根に登って作業するのは非常に危険です。
1階でも約3m、2階なら6m以上の高さがあり、転落事故のリスクも高まります。
屋外の処置は自分でやらず、基本的には プロに依頼が望ましいです。
どうしても作業する場合は、
ヘルメット着用
必ず2人以上で作業
屋根専用シューズ(例:屋根やくん、地下足袋)着用
(通常のスニーカーで登るのは非常に危険です。)
濡れている屋根には絶対に登らない
以上を守って、安全に慎重に作業に当たってください。
コーキング材の使用には要注意を
市販のコーキング材で雨漏り箇所を埋める方法を検討される方も多いですが、原因箇所を誤ると逆効果になる可能性もあります。
素人が自己判断でコーキングすると 修理業者が調査しにくくなり、原因特定を困難にするリスクがあります。
正しく施工しないと、逆に水の流れを変えて 別の場所に雨漏りを誘発する事になってしまい被害を拡大しかねません。
確実な侵入箇所が分かっている場合以外は、自己判断でのコーキングは推奨しておりません。
雨樋の応急処置
「雨樋が垂れ下がって水があふれている」といった場合、下から押し上げて一時的に直すことも可能。
ただし応急でしかなく、すぐに元に戻ってしまう可能性大。早めの修理が必要です。
応急処置は「一時しのぎ」です。根本的な解決にはなりません。
応急処置はあくまで「本工事までの時間稼ぎ」でしかありません。
長期間の使用はできず、風や紫外線、劣化によりすぐに機能しなくなる可能性があります。
数年単位で耐えることは想定されていません。
放置しておくと…
壁や天井にカビ・シミが発生
室内にカビ臭が充満
シロアリの発生
漏電による火災
家の資産価値の低下
など、さまざまな被害が拡大していきます。
応急処置後は 早めに専門業者へ相談を
雨漏りが発生した場合は、できるだけ早く専門業者にご相談ください。
正しい知識と行動が、家と家族を守ります。
応急処置は一時的な延命措置です。その間に、必ずプロの点検と修理を受けてください。