目次
まず重要なのは「原因の特定」
雨漏り修理で最も大切なのは、的確な原因の特定です。
修理しても再発する多くのケースは、「侵入箇所の特定ミス」が原因となっています。
◆ 主な調査方法
調査方法 | 内容 |
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目視・触診調査 | 屋根・壁・天井の雨ジミや破損の有無を確認 |
赤外線調査 | 壁内部の水分・劣化を可視化 |
天井裏点検 | 屋根・サッシからの浸水状況をチェック |
散水試験 | 雨漏り箇所に水をかけて再現し、侵入経路を特定 |
壁打ち調査 | 内壁の奥にある構造部分の劣化を調査 |
雨漏り部位別:修理方法一覧
■ 屋根からの雨漏り(瓦・スレート・金属屋根)
原因 | 修理方法 |
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瓦のズレ・割れ | 瓦の差し替え・並べ直し |
棟や谷の漆喰の劣化 | 漆喰の積み直し、棟の取り直し |
谷板金の腐食・変形 | 板金の交換(ステンレス推奨) |
防水紙の破れ | 瓦を撤去して防水紙の張り替え |
棟板金の釘の浮き・飛散 | 釘の打ち直し or 板金交換 |
コーキングの劣化 | ひび割れ箇所のコーキング補修 |
塗膜の劣化 | 防水性維持のための再塗装(約10年ごと) |
スレート材の反り・割れ | コーキング補修 or 1枚単位で交換 |
縁切り未実施(塗装不良) | タスペーサーなどで排水経路を確保 |
屋根全体の老朽化 | 葺き替え or カバー工法(重ね葺き)で全面改修 |
■ 谷板金の修理
瓦屋根の場合は、瓦を一時取り外し、新しい谷板金と防水シートを設置した後、瓦を戻します。
スレートや金属屋根の場合は、屋根材ごと交換するのが基本で、カバー工法も可能です。
推奨素材:ステンレス製谷板金(耐久性が高いです)
■ 外壁からの雨漏り
原因 | 修理方法 |
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外壁クラック(ひび割れ) | パテ・モルタル補修/構造クラックは本格補修が必要 |
シーリング材の劣化 | 増し打ち or 打ち替え |
外壁材の浮き・ズレ | 固定し直し or 部分張り替え |
水切り金具の劣化 | ビス締め直し or 板金交換 |
換気フード・配管の隙間 | コーキング充填 or 専用部材で再設置 |
外壁材が寿命 or 重度劣化 | 外壁のカバー工法 or 張り替え |
■ 窓サッシからの雨漏り
原因 | 修理方法 |
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コーキングの劣化 | コーキング打ち替え or 増し打ち |
パッキンの劣化 | ゴムパッキンの交換 |
サッシ枠のゆがみ・ズレ | 調整 or サッシ全体の交換(断熱窓へ交換も推奨) |
水切り金具の不具合 | 修正 or 再設置 |
外壁側からの浸入 | 外壁のヒビ補修・シーリング補修 |
上階からの漏水 | 原因調査 → 階上サッシや壁の修理が必要な場合も |
応急処置の注意点
雨漏り時は雑巾や吸水シートで水を吸い取ってください。
電気器具や家具は早めに避難しましょう。
ただし、素人判断で隙間をコーキングで塞ぐのはおすすめできません。
水の経路が変わり、被害が拡大する恐れがあります。
雨漏り修理費用の幅とポイント
規模 | 費用目安(概算) |
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軽微なコーキング補修 | 数万円程度 |
外壁の一部張り替え | 10万~30万円 |
防水紙の張り替え | 30万~80万円 |
屋根・外壁の全面改修 | 100万円以上になることも |
放置すると被害が拡大し、補修費が10倍以上に跳ね上がるケースもありますのでご注意ください。
最終まとめ:雨漏り修理のポイントは?
- 根本原因を特定することが最優先です
- プロによる診断(目視+散水+内部点検)を受けることが確実です
- 修理内容は被害状況と原因により千差万別です
- 早めの対処が最小コストかつ被害抑止のカギとなります
- 「何度も再発して困っている」場合は、原因特定ミスの可能性が高いです
雨漏りがたまにしか起きないからと放置しないことが大切です。
繰り返すほど建物の劣化が進みます。
被害が広がる前にプロの診断を受けることが最善策です。